ページ

『大阪(平野)母子殺人事件の真相に迫ろうとしない司法?』



『大阪(平野)母子殺人事件の真相に迫ろうとしない司法?』
  • 大阪(平野)母子殺人事件
  • 森健充(もりたけみつ)(当時45)被告
  • 森まゆみさん=当時(28)
  • 長男の瞳真(とうま)ちゃん=同(1)

  1. 不十分な物証のままでは、犯人を刑に処すことが難しいことを示す事件例として取り上げられていた。
  2. 真犯人がいる訳ではない。この男を犯人とするに足る証拠がないということだ。手続き論の破たんに過ぎないのに、無罪で裁くのは、決定的なギャップがある。
  3. 司法が求める合理性には欠落した論理がある。犯人は存在しないということを司法が主張している訳ではないが、結局は、加害者を守っただけだ。一事不再理。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC1501H_V10C12A3000000/

被告に無罪判決 大阪の母子殺害事件差し戻し審

    2012/3/15 13:36

 2002年の大阪市平野区母子殺害事件で、殺人などの罪に問われ、二審の死刑判決が最高裁で破棄された大阪刑務所刑務官(休職中)、森健充被告(54)の差し戻し審判決で、大阪地裁(水島和男裁判長)は15日、「検察側が新たに示した証拠は被告の犯人性を証明する有力な証拠とは認められない」として、無罪(求刑死刑)を言い渡した。

平野母子殺害事件を巡る主な動き 

  • 2002年4月14日 事件発生
  • 同月中旬 大阪府警が事件現場の階段踊り場灰皿から吸い殻72本採取
  • 11月16日 府警が72本のうち1本のDNA鑑定結果を基に森被告を殺人容疑で逮捕。12月8日に現住建造物等放火容疑で再逮捕
  • 12月7日 検察が殺人罪で森被告を起訴。29日に現住建造物等放火罪で起訴
  • 同月下旬 府警が残りの吸い殻71本を入れた箱の紛失を把握
  • 03年3月31日 大阪地裁で初公判。森被告は起訴内容を否認
  • 12月 弁護側が吸い殻関連の証拠開示を依頼
  • 04年1月 府警が大阪地検に紛失を報告
  • 検察が「証拠開示しない」と回答
  • 05年8月3日 大阪地裁が無期懲役(求刑死刑)判決
  • 06年12月15日 大阪高裁が死刑判決
  • 10年4月27日 最高裁が1、2審判決を破棄。大阪地裁に審理を差し戻す
  • 7月 差し戻し審の打ち合わせで地検が地裁と弁護人に紛失を説明
  • 11年10月20日 大阪地裁で差し戻し審初公判
  • 12年3月15日 大阪地裁が無罪(求刑死刑)判決


 最高裁が死刑判決を破棄して差し戻した戦後7件目の事件で、過去の6件は後に無罪が確定している。森被告は捜査段階から一貫して無罪を主張。事件と被告を結びつける直接証拠がないなか、間接事実の積み上げを裁判所がどう判断するかが焦点だった。

 検察側は、事件直後に現場近くで採取したたばこの吸い殻から森被告のDNA型を検出したことや目撃証言などを積み上げ、被告の犯行と主張。一審・大阪地裁は無期懲役を、二審・大阪高裁は「更生の可能性はない」と死刑を言い渡した。

 だが最高裁は10年4月、「吸い殻は変色し、事件当日よりかなり前に捨てられた可能性もある」と判断。現場近くで採取した別の吸い殻の鑑定の必要性を指摘し、一、二審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。しかし大阪府警によるその吸い殻の紛失が判明した。

 差し戻し審で検察側は、警察官50人による喫煙実験などから「吸い殻は短時間でも変色する」と主張。被告の靴から採取した動物の毛が、現場の被害者宅の飼い犬の毛と同一との可能性を示すDNA型鑑定の結果も新たに提出、「被告が事件当日に現場にいたのは明らかだ」としていた。

 弁護側は「検察側の新証拠では最高裁が指摘した疑問点を解消できない」として無罪を訴えていた。


関連キーワード

被告、事件差し戻し審、大阪刑務所


人気の投稿:月間

人気の投稿:年間

人気の投稿