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『安倍内閣「戦争法案」の合憲・違憲判断で分かる憲法学者の腹黒?』


『安倍内閣「戦争法案」の合憲・違憲判断で分かる憲法学者の腹黒?』

  • 安倍内閣「戦争法案」
  • 合憲・違憲判断
  • 憲法学者
  • 長谷部恭男・早大教授



  1. 与党が招聘した学者までが憲法違反の立場を表明して、官房長官は合憲とすると学者はいくらでも大勢いると言ったらしいが、学者を道具扱いしている感覚に驚く。白と黒を混ぜて常に灰色にしておけば学者の意見など無視できると踏んでいるのだろう。立法府の国会議員の姿勢として不適切だ。
  2. 改憲が先だろう。将来法律を変える予定だから今法律を破っていいというのだろうか。
  3. 長谷部恭男氏は学者としての良識を普通に示した訳で賞賛したい。為政者の思惑にのるだけの情けない学者が多い中では素晴らしいことと言える。かな?。



http://www.asahi.com/articles/ASH646RCKH64UTFK019.html

憲法学者から思わぬレッドカード 安保法案審議に影響か

笹川翔平、高橋健次郎2015年6月5日02時13分

 「集団的自衛権の行使は違憲」。4日の衆院憲法審査会に招かれた憲法学者3人は、安全保障関連法案に「レッドカード」を突きつけた。政府・与党内には、今後の衆院特別委員会の審議に冷や水を浴びせかねないとの見方が広がり、「委員会の存立危機事態だ」との声も出た。

 この日の憲法審査会は本来、立憲主義や憲法制定過程を巡る議論について、各党推薦の専門家から意見を聴く参考人質疑だった。しかし、野党議員の質問をきっかけに議論は衆院特別委で審議中の安保法案をめぐる議論に集中していった。

 小林節・慶大名誉教授は、今の安保関連法案の本質について「国際法上の戦争に参加することになる以上は戦争法だ」と断じ、平和安全法制と名付けた安倍晋三首相や政府の姿勢を「平和だ、安全だ、レッテル貼りだ、失礼だと言う方が失礼だ」と痛烈に批判した。

 憲法や安全保障についての考え方が異なる3人の参考人だが、そろって問題視したのは、昨夏の閣議決定で認めた集団的自衛権の行使だった。集団的自衛権は「違憲」との見方を示し、憲法改正手続きを無視した形で推し進める安倍政権の手法を批判した。

 長谷部恭男・早大教授は、従来の政府解釈が個別的自衛権のみを認めてきた点を踏まえて「(閣議決定は)どこまで武力行使が許されるのかも不明確で、立憲主義にもとる」と批判した。

 笹田栄司・早大教授は、内閣の判断で憲法解釈を変えることについて、戦前のドイツでナチスの台頭を許した「ワイマール(体制)のことを思う」と言及。専門の違憲審査の問題を踏まえて、憲法解釈については「少しクールに考える場所が必要」などと指摘した。

 教授らは、新たな安保関連法案が、「戦闘現場」以外なら米軍などへの後方支援を拡充する点についても問題点を指摘した。

 長谷部氏が「(憲法9条に抵触する他国との)武力行使の一体化が生ずるおそれは極めて高くなる」と発言。小林氏は、戦争への協力を銀行強盗を手伝うことにたとえて、こう皮肉った。

 「一体化そのもの。長谷部先生が銀行強盗して、僕が車で送迎すれば、一緒に強盗したことになる」

■自民党内からも不安の声

 報道各社の世論調査では、安保法案に反対・慎重な意見が目立つ。憲法学者らの批判に、政府・与党は神経をとがらせる。

 安保法案の与党協議をリードした公明党の北側一雄氏はこの日の審査会で「憲法9条でどこまで自衛の措置が許されるのか。突き詰めた議論をしてきた」などと反論。菅義偉官房長官も4日午後の記者会見で「『違憲じゃない』という憲法学者もいっぱいいる」などと火消しを図った。

 だが小林氏は審査会後、「日本の憲法学者は何百人もいるが、(違憲ではないと言うのは)2、3人。(違憲とみるのが)学説上の常識であり、歴史的常識だ」と言い切った。

 法案審議の序盤で出た「レッドカード」に、自民党内からは不安の声が次々と上がる。安保法案の特別委に加わる自民党中堅議員は「特別委にとっては重要影響事態どころか、存立危機事態だ」と心配する。

 自民党幹部らは、安保法制の審議への影響について「タイミングが悪すぎる」「自分たちが呼んだ参考人がああいう発言をしたことの影響は非常に大きい」などと懸念。そもそも「なぜこんな時期に憲法審査会を開いたのか」(党幹部)と、矛先を与党の審査会メンバーに向ける声も出始めた。自民の船田元・審査会筆頭幹事は「(今回の質疑テーマは)立憲主義であり、多少問題が及ぶかなと思っていたが、後半の議論がほとんど安保法制になり、予想を超えたと思っている」と認めた。

 与野党は審査会後に幹事懇談会を開き、11日に同じテーマで各党議員による自由討議を行うことで合意したが、自民党内からは「改めて調整が必要になる」と、特別委への影響を配慮し、審査会の日程を白紙に戻すべきだとの声も出ている。(笹川翔平、高橋健次郎)




http://www.asahi.com/articles/ASH645JDYH64UTFK00K.html

安保法制、3学者全員「違憲」 憲法審査会で見解

渡辺哲哉2015年6月5日01時42分

衆院憲法審査会に参考人として呼ばれ意見を述べる(奥から)長谷部恭男・早大教授、小林節・慶大名誉教授、笹田栄司・早大教授=4日午前9時6分、飯塚晋一撮影
写真・図版
 衆院憲法審査会で4日、自民党など各党の推薦で参考人招致された憲法学者3人が、集団的自衛権を行使可能にする新たな安全保障関連法案について、いずれも「憲法違反」との見解を示した。国会の場で法案の根幹に疑問が突きつけられたことで、政府・与党からは、今国会中の成立をめざす法案審議に影響を及ぼしかねないと、懸念する声が上がっている。

思わぬレッドカード、安保法案審議に影響か
特集:安全保障法制
 参考人質疑に出席したのは、自民推薦の長谷部恭男・早大教授、民主党推薦の小林節・慶大名誉教授、維新の党推薦の笹田栄司・早大教授の3人。

 憲法改正に慎重な立場の長谷部氏は、集団的自衛権の行使を認める安保関連法案について「憲法違反だ」とし、「個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか」と批判。9条改正が持論の小林氏も「憲法9条2項で、海外で軍事活動する法的資格を与えられていない。仲間の国を助けるために海外に戦争に行くのは9条違反だ」との見解を示した。

 笹田氏も、従来の政府による9条解釈が「ガラス細工と言えなくもない、ぎりぎりで保ってきた」との認識を示し、今回の法案について「(これまでの定義を)踏み越えてしまっており、違憲だ」と指摘した。

 また、重要影響事態法案などで、米軍などを後方支援する自衛隊が「現に戦闘行為が行われている場所」以外なら活動できるとした点についても、小林氏らは「(武力行使との)一体化そのものだ」などと発言。3人とも違憲や違憲のおそれがあるとの認識を示した。

 自民推薦も含む参考人から、安保関連法案の違憲性を指摘されたことに、与党は今後の法案審議で「野党に追及の材料を与えてしまった」(自民国対幹部)と危機感を募らせる。菅義偉官房長官は4日の会見で「違憲という指摘は全くあたらない」と反論し、法案審議には影響がないと強調した。(渡辺哲哉)



http://www.asahi.com/articles/ASH5Q6J6PH5QUTIL05R.html

首相答弁、気になる3つのポイント 識者が分析

西本秀、市川美亜子2015年5月25日16時14分

 安全保障法制の関連法案の国会審議が26日から始まる。先週の党首討論で、かみ合わない場面が目立った安倍晋三首相の答弁をどうみるか。審議の行方とあわせ、識者に聞いた。

■断定口調の狙いは?

 《法案の説明はまったく正しい。私が総理ですから》

 20日の党首討論。安倍首相は集団的自衛権をめぐる岡田克也・民主党代表の質問を、こう突っぱねた。法案を閣議決定した際の記者会見でも「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にあり得ない」と断言した。

 こうした断定口調について、「武器としての〈言葉政治〉」の著書がある名古屋外国語大の高瀬淳一教授(情報政治学)は「官僚答弁とは異なる、意識的な『言い切り型』の発言で、国民を納得させようとしている」とみる。

 「もし安倍さんが『自衛隊員のリスクが高まる』と答えたら法案はおしまい。批判も織り込んだ答弁だろう。『平和安全法制』というネーミングも周到だ。このまま強気の答弁で押し切られれば、野党は攻めあぐねるのでは」と語る。

■安保闘争時と同じ?

 《巻き込まれ論は60年安保時も言われ、間違っていた》

 首相は党首討論でこう語り、会見でも「戦争に巻き込まれるという批判は的外れ」と述べて、安保闘争後も戦争が起きなかったことを理由に批判に反論している。

 これに対し、実際に60年安保闘争に参加した全学連OBで政治評論家の森田実さんは「実際はまったく逆」と振り返る。

 安倍首相の祖父、当時の岸信介首相が進めた日米安保条約改定に対し、市民や学生が大規模なデモで反対したのが60年安保闘争だった。「安保改定は成立したが、闘争の結果、岸内閣は倒れた。その後の池田内閣は所得倍増を打ち出し、日本は経済成長路線に転換した。戦争を望まない国民の反対運動が歯止めになり、いまの平和や豊かさがある」という。

 森田さんは最近、政治家の言葉に「誠実さ」が失われてきたと感じる。「今回の安保法制で自衛隊は米国の『下請け』になる。60年安保の時よりも危険。絶対に巻き込まれないと、その場しのぎの言葉でごまかさず、丁寧に議論すべきだ」と、今後の審議に注文を付ける。

■ポツダム宣言読んだ?

 《(ポツダム宣言について)私はつまびらかに読んでおりません》

 党首討論では、志位和夫・共産党委員長が、日本が敗戦時に受け入れたポツダム宣言をもとに、過去の戦争を「間違った戦争と認めるか」と問うたが、首相は正面から答えなかった。志位氏は討論後に「本当に読んでいないようだ」と皮肉り、ネット上では「本当に知らないのか、それとも避けたのか」と話題に。

 この発言について、思想家の内田樹(たつる)さんは「意図的に逃げているというよりも、無意識の忌避」と捉える。「先の戦争の否定につながることなど、自分にとって好ましくない情報には触れるなという指示が身体から出ているかのように見える。話したくないことには質問をしても答えず、批判は受け付けない」

 では、こうした「安倍話法」にどう相対すればいいのか。「法案の内容でいくら攻めても、本人は直視できなくなっている。野党やマスコミは安倍首相のこうした姿勢こそを追及してほしい」(西本秀、市川美亜子)

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