ページ

『中国内モンゴル冤罪死刑事件』


『中国内モンゴル冤罪死刑事件』
  • ホクジルト(フクジルト)さん
  • 中国内モンゴル
  • 冤罪・死刑事件


http://news.searchina.net/id/1548676?page=1

内モンゴルの冤罪・死刑事件・・・関係者認めるも「諸般の事情」で判決の見直しなし、メディアが改めて注目

2014-11-07 13:23

 内モンゴル自治区で1996年、強姦殺人事件の犯人とされて死刑を執行されたホクジルト(フクジルト)さんについて、当局関係者からも複数回にわたって「冤罪だった」との証言が出ているにもかかわらず、判決の見直しはいまだに行われていない。当時の関係者が「昇進」したなど、さまざまな事情があるためという。中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)、中国新聞社など中国メディアが同問題について改めて注目しはじめた。  ホクジルトさん(当時18歳)は1996年4月9日に内モンゴル自治区フフホト市内の公衆トイレ内で女性が殺害された事件での、遺体の第1発見者だった。その後、ホクジルトさんは自分が女性を殺害してから発見者を装って警察に通報したとして、強姦罪と故意殺人罪で起訴された。  当時は凶悪犯罪の撲滅運動が展開されてきた。政治的キャンペーンの一環として「凶悪犯罪ほど速やかに決せよ」とされていた。ホクジルトさんは同年6月10日に死刑判決を言い渡され、即日、執行された。事件発生から約2カ月だった。  2005年10月になり、別の強姦・強盗・殺人の疑いで身柄を拘束された趙志紅容疑者が、警察の取り調べに対して1996年の強姦殺人事件も、自分がやったと供述し始めた。趙容疑者は4度にわたり、ホクジルトさんが犯人とされた事件について「自分がやった」と供述した。  供述に整合性が高かったため、中央政府・公安部も調査に乗り出した。趙容疑者に対する精神鑑定は、いわゆる「うそ発見器」なども使った結果、趙容疑者の供述の信憑性は98%以上のとの結果がでた。  当局側の動きは鈍かったが、趙容疑者はその後もトイレットペーパーを使って、フクジルトさんが冤罪で死刑になったことについて「命をもってつぐないたい」との嘆願書を提出した。  趙容疑者については、その他の犯罪ついて死刑が言い渡された。中国人民最高法院(最高裁)は07年1月、死刑は認めたがホクジルトさんの冤罪事件の調査のためとして、執行を延期して拘留を続ける指示をした。  公安部の専門家として調査を担当した楊承勲氏と呉国慶氏は後に、取材に対して1996年の事件の真犯人は趙容疑者だったことは間違いないと述べ、「公安機関側の意見はすでに明確だ。後の問題は裁判所にある」と述べた。  内モンゴルの共産党関係者は、「冤罪事件と公式に認める場合、当時の関係者の処罰/処分がともなうことになる」と説明。1996年にはホクジルトさんを「スピード逮捕・スピード処刑」したことで、表彰された警察関係者もいる。その後も「昇進して地位が高くなった者」がいるなどで、同関係者によると、冤罪事件として認めることは「実に難しくなってしまった!」という。  2006年には内モンゴル自治区当局が事件について再調査専門チームを結成した。  中国中央テレビは同問題を改めて取り上げ、2014年11月5日に、再調査専門チームのメンバーのひとりに取材した。同事件で、被害者は絞殺された。番組によると、当時の捜査・裁判では、ホクジルトさんの爪の垢に残されていた血の血液型がO型で、被害者の血液型と一致したことが「決定的証拠」とされたという。  中央テレビの記者が、再調査専門チームのメンバーのひとりに「血液型が同じ人はたくさんいる。それは(O型というだけで証拠とするのは)科学的ではないのでは?」と尋ねると、「まさに、科学的ではありません」と答えた。  同メンバーは「再調査そのもの」については、圧力を受けたりしなかったと話した。ただし、当時の捜査や手続きについては、細かく述べることを避けたという。  ホクジルトさんの両親は2005年に10月に趙容疑者が「犯人は自分」と供述した翌月の11月から当局に通いつめて裁判の見直しを訴えているが、これまで動きはなかった。  写真はホクジルトさんの写真。CNSPHOTO提供。両親が手元に残っている写真の1枚を示し、最も気に入っている1枚と説明した。「ホクジルト」とはモンゴル語で「発展」、「前途」といった意味。両親は「最大の願いは、息子の潔白を認めてもらうことです」と述べた。 ********** ◆解説◆  アムネスティ・インターナショナルが発表した2013年の死刑適用状況によると、過去5年間に死刑を毎年執行した国は中国、イラン、イラク、北朝鮮、サウジアラビア、スーダン、米国。イエメンの9カ国。中国における死刑執行の件数は1000件以上と見られており、2位であるイランの「少なくとも369件」をはるかに上回るが、実態は不明という。(編集担当:如月隼人)



http://news.searchina.net/id/1550467?page=1

内モンゴル冤罪事件・・・死刑執行から18年後の再審理決定、ただし書面のみ・非公開

2014-11-20 14:59

 内モンゴル自治区高等法院(高裁)は20日、1996年に強姦殺人事件の犯人とされ死刑を執行とされたホクジルト(フクジルト)さんについて、再審理を行うと発表した。ただし書類による審査で非公開という。同件は、11月になりメディアが改めて「冤罪(えんざい)」と報じたことで、注目を集めていた。  ホクジルトさんは1996年4月9日に発生した、公衆トイレ内で女性が殺害された事件で、遺体の第1発見者だった。ホクジルトさんは同事件の容疑者とされ起訴された。約2カ月後の6月10日に死刑判決を言い渡され、刑は即日、執行された。「凶悪犯罪ほど速やかに決せよ」との政治キャンペーンが行われていたための“スピード判決・スピード執行”だった。  2005年10月になり、別の連続強姦・強盗・殺人の疑いで逮捕された趙志紅容疑者が、警察の取り調べに対して再三にわたり、ホクジルトさんが犯人とされた事件について「自分がやった」と供述した。  趙容疑者の供述には整合性があり、精神鑑定を行った警察の専門官2人も、96年の事件の犯人は趙容疑者だったとの考えを示した。2人によると、警察もホクジルトさんは冤罪で処刑されたと認めた。  内モンゴル自治区高等法院は20日に記者会見を開き、説明と質疑応答を簡易投稿サイトの微博(ウェイボー、中国版ツイッター)で発表した。再審理を決めた主な理由は「親族からの要請」があったためで、刑事訴訟法第242条2項にある、再審理が認められる条件である「原判決が有罪として言い渡した量刑の証拠が不確実で不十分である場合」を適用したという。  また、同法院だけでなく、事件に関係した警察や検察による再調査の結果も再審理を決める要因になった。同法院は「事件が発生してから長時間が経過したので証拠の確認は極めて困難だったが、人の命にかかわる案件なので、十分に真剣な態度と、事実をもって根拠とすること、法律を基準にすること、厳格で詳細であること、客観的で公正であること、きちんと責任を負うことなどを堅持して、審理に臨む」と説明した。  同法院によると、被告人がすでに死亡しているため、刑事訴訟法解釈第384条により、書面による審査とした。そのため、再審理は実質的に非公開となった。  ただし被告側弁護士は関連書面を閲覧でき、意見等を提出することも認められる。また、「再審理にかかわる者は、弁護士を行くめて権利を厳密に保護する」という。

人気の投稿:月間

人気の投稿:年間

人気の投稿